歯茎が白い?考えられる原因と歯科での治療
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歯茎が白い原因とは?
健康な口腔環境を維持することは全身の健康に直結しますが、歯茎が白くなるといった変化に気づいたことはありませんか?
この症状は一見すると些細なことかもしれませんが、様々な原因が考えられ、その中には早急に対応が必要な場合もあります。
今回は、歯茎が白くなる主な原因をお話します。歯茎の変化に気づいた際に、適切な対応をするための参考になれば幸いです。
歯茎が白くなる原因はいくつかあるのですが、一般的なものを以下にご紹介します。
1.口内炎
口内炎とは口腔内の粘膜に生じる炎症や潰瘍の総称です。
【原因】 ストレス、栄養不足(特にビタミンB群や鉄分の不足)、免疫力の低下、口腔内の外傷、ウイルスや細菌の感染など
【症状】 口内に痛みを伴う小さな白い潰瘍が現れたり、赤く腫れます。痛みは食事や会話など、口腔内の動きで症状が悪化することもあります。
【種類】 大きく分けて3種類あります。
アフタ性口内炎:最も一般的な口内炎で、小さな白色の潰瘍が特徴です。
ウイルス性口内炎:ヘルペスウイルスなどのウイルス感染が原因で、複数の小さな水疱が現れ、破れると潰瘍になります。
真菌性口内炎:カンジダ菌による感染で白い膜や斑点が現れます。
一般的に自然治癒しますが、早期治癒を目指すにはビタミン補給や口腔内の清潔を保つことが重要となってきます。
2.瘻孔(ろうこう)/フィステル・サイナストラクト
瘻孔は、主に歯周組織の感染や炎症が原因で、歯茎にできる異常な管状の通路や穴を指します。これは感染部位から膿が排出されるための経路となることが多いです。白くプクッとしたできものが出来るのが特徴です。
【原因】
歯の感染:虫歯が進行し、歯髄(歯の中にある神経)が感染することにより、歯根の先端に膿がたまり、歯周組織に瘻孔が形成され、白いできものが出来ます。
歯周病:重度の歯周病により歯周ポケットが深くなり、感染が広がって瘻孔ができることがあります。
外傷:歯や歯茎に外傷が生じ、感染が広がることで瘻孔が形成されることがあります。
【症状】
膿の排出:歯茎に白いできものが出来てその部分に小さな穴が開き、そこから膿や血液が出ることがあります。
痛み:感染が進行すると痛みが生じることがあります。痛みが無くなることもありますが、これは膿が排出されて圧力が軽減されたためであり、感染が治癒したわけではありません。
腫れ:歯茎や顔の一部が腫れることがあります
口臭:感染により口臭が発生することがあります。
【対策】
感染源の除去:根管治療や抜歯などにより、感染源を取り除きます。また、必要に応じて抗生物質が処方され使用することにより感染の広がりを抑えます。
フィステルの症例写真
3.外傷
【原因】
物理的な外傷:硬い食べ物を噛んだり、スポーツや事故で口を強く打ったりすることで歯茎に損傷が生じることがあります。この際に、歯茎の血行が一時的に悪くなり、白く見えることがあります。
歯科治療の後遺症:歯の治療や手術後に、治療箇所の歯茎が一時的に白くなることがあります。これは治療中に歯茎に麻酔を打つ際に出来る傷や切開されたりしたため出来た傷によるものです。
化学的な外傷:誤って化学物質が口内に入った場合、歯茎が損傷を受けて白く変色することがあります。
【症状】
白い斑点や歯茎の変色:損傷を受けた部分の血行不良や壊死によるものです。
痛みや不快感:外傷による痛みや不快感が出ることがあります。
腫れ:損傷部位が腫れることがあります。
【対策】
清潔保持:口内を清潔に保ち、感染を防ぐために、食後は優しく口をゆすぎます。
鎮痛薬の使用:必要に応じて処方された鎮痛薬や市販の鎮痛薬を使用して痛みを和らげます。
軟膏の使用:歯科医の指示に従い、治療用の軟膏やジェルを使用します。
4.貧血
貧血は血液中の赤血球やヘモグロビンが不足する状態で、体全体の酸素供給が不足することにより、様々な症状が現れます。
【原因】
酸素不足:貧血により体全体に十分な酸素が供給されなくなるため、歯茎を含む口腔内の組織が酸素不足に陥ります。これにより、歯茎が白っぽく見えることがあります。
血行不良:貧血によって血液の循環が悪くなり、歯茎への血流が減少するため、歯茎が白く見えることがあります。
5.骨隆起(こつりゅうき)
骨隆起は、口腔内で見られる骨の表面にできる硬い隆起です。主に下顎や上顎の内側に発生し、通常は無痛です。特定の原因は不明ですが、遺伝や歯ぎしり、食いしばりなどが影響していると言われています。上顎の内側の骨隆起は口蓋隆起、下顎の内側の骨隆起は顎隆起という名称で、隆起している部分は歯肉が薄くなるので白っぽく見えます。
基本的に治療は不要ですが、義歯の装着時に支障があるようなら歯科医に相談しましょう。
顎隆起の症例写真
6.白板症
白板症は、口腔内の粘膜に白い斑点や斑状の病変が現れる状態を指します。この状態は通常、痛みを伴わず、表面が滑らかまたはざらざらしていることがあります。白板症は前癌病変とされており、放置すると癌に進展するリスクがあるため、早期発見と治療が必要になっていきます。
ただ、一般歯科では専門外なため確定診断が難しく、白板症の疑いがある方は大学病院等の口腔外科へ紹介状を書かせて頂き、受診してもらう流れになります。
7.口腔カンジダ症
口腔カンジダ症は、カンジダ菌が口腔内で過剰に増殖することによって引き起こされる感染症です。カンジダ菌は通常、健康な人の口腔内や消化管に常在する微生物ですが、免疫力の低下や他の要因によって過剰に増殖することがあります。
口腔カンジダ症も白板症と同じく専門機関での受診・治療が望ましいため、大学病院等の口腔外科へ紹介状を書かせて頂き、受診してもらう流れになります。
歯茎が白くなる原因は多岐にわたりますが、いずれの場合も早期の対処が重要です。歯茎の異常に気づいた場合は、自己判断せず、歯科医院での診察を受けることをお勧めします。定期的な歯科検診と適切な口腔ケアを行い、健康な歯と歯茎を保ちましょう。
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