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歯茎の腫れ

歯茎の腫れはトラブルのサイン

歯茎が腫れる原因は、身近なものだと歯周病智歯周囲炎(親知らずまわりの炎症)などが挙げられます。
軽度の歯周病や智歯周囲炎は、放置すると症状が治まることもあり、「痛くないし、まあいいか」と放置されてしまうことが多いです。

しかし、「痛くないから、大丈夫」という状態は、歯科においては注意が必要です。
歯茎の炎症は、症状が出ないまま進行する歯周病や、虫歯、口腔がんなどのサインのひとつだからです。

歯茎の腫れは放置せず、手遅れになる前に歯医者で確認しておくことが望ましいです。

目次

こんなお悩みありませんか?

  • 歯茎が腫れている
  • 歯茎が赤くなって痛い
  • 歯磨きのときに出血する
  • 歯茎が腫れて膿が出る
  • 痛みはないが、歯茎が盛り上がっている
  • 親知らずまわりの歯茎が腫れて痛い

歯茎の腫れの原因

健康な歯茎はピンク色をしており、隣り合った歯の根元を埋めるように三角に覆っています。
歯磨きのときに血や痛みが出ることはなく、全体的に引き締まっていることが特徴です。

もし、歯茎が腫れている場合は、何らかの異常が起きているため、早めに歯医者でみてもらいましょう。
歯茎が腫れる原因には、次のようなものがあります。

歯周病

歯に歯垢や歯石が溜まることで起こる病気です。
歯茎の腫れから始まり、歯を支える骨に炎症を起こします。
初期段階では痛みがなく、歯磨きのときに歯ブラシに血がつく程度のため、歯茎が腫れていても放置される傾向にあります。
歯周病を放置すると歯茎が下がり、歯を支える骨がなくなるため、最後には歯が抜けてしまいます。

智歯周囲炎

親知らずのまわりが腫れて痛みが出ます。
親知らずまわりの清掃不良や、親知らずが手前の歯やまわりの組織を圧迫することで起こります。
体調不良のときやストレスが溜まったときなど、免疫機能が弱っているときに再発を繰り返す傾向があります。

再発の頻度が高くなっている場合や、腫れが悪化して膿が出るようになってきた場合は、タイミングを見て親知らずの抜歯を検討することがおすすめです。
放置しておくと手前の歯まで悪くしてしまう場合や、副鼻腔やリンパに炎症が広がって発熱といった全身症状を引き起こす場合があります。

歯の根の先に溜まった膿

歯周病や虫歯、歯の神経の炎症が悪化すると、歯の根の先端に膿の袋ができる場合があります。
これにより歯茎が腫れて、歯茎に膿の出口ができて白く小さな突起のようなできものがつくられます。
膿が歯茎にできた穴から出ると、症状が治ったような気がしますが、膿が溜まるとまた歯茎が腫れ、膿が出る場合があります。

歯の根が割れた

歯の根が割れると、細菌感染を起こして歯茎が腫れる場合があります。
噛み合わせのダメージや外傷、被せ物をしている歯の土台のトラブルなどが原因で起こります。

また、歯の神経が死んでいる歯は、歯質が脆くなっているため、何かの拍子に歯が割れてしまう可能性があります。
歯茎に炎症が起きてから初めて、歯の根が割れていることに気づく場合もあります。

擦過傷

歯ブラシで歯茎を強くこすりすぎると起こる症状です。
歯茎がすり切れて炎症を起こすため、腫れてしまいます。
傷が治るまでは、歯ブラシを当てると痛いだけでなく、ケチャプや醤油などの塩分が濃い食べ物からい食べ物などがしみて痛みを感じます。

食片圧入

歯と歯茎の間に食べかすが入り込んで炎症を起こすことを「食片圧入」といいます。
食べかすを取り除いてきれいにすると治まりますが、食べ物が挟まっている感覚がない場合は、痛みが出るまでは気づきにくい症状です。

やけど

熱い食べ物飲み物で歯茎がやけどをすると、水ぶくれになって歯茎が腫れる場合があります。

口内炎

歯茎に口内炎ができて腫れる場合があります。
口内炎で一般的なものは「アフタ性口内炎」で、体調不良ストレスビタミン不足によって起こることが多いです。
赤い縁どりがあり、中央が白い潰瘍ができます。

 

大きさは2〜10mmほどが多く、1つだけできることもあれば、複数の口内炎が一度にできる場合もあります。
そのほか、歯ブラシや入れ歯が当たる刺激で起こる「カタル性口内炎」、ウイルスが原因で起こる「ウイルス性口内炎」、アレルギーが原因で起こる「アレルギー性口内炎」でも歯茎に潰瘍ができたり赤くなったりします。

歯肉増殖症

前歯を中心に歯茎が腫れて、増力する症状です。
遺伝やホルモンの異常、抗てんかん薬の服用、歯肉の炎症などが原因で起こるといわれています。
歯茎が腫れていますが、痛みがないことが特徴です。
症状が悪化すると、歯が見えにくいくらい歯茎が肥大してしまう場合があり、さらに進行すると呼吸がしにくくなる症状です。

良性腫瘍

歯茎にできる良性腫瘍は、非歯原性良性腫瘍(ひしげんせいりょうせいしゅよう)といって、白い突起のような腫れです。
歯に合わない被せ物や入れ歯などで刺激を受けたところの歯茎に腫瘍ができます。
良性のため、リンパや血管に影響を与えるもの以外は、外科的処置で切り取って治すことが一般的です。

悪性腫瘍

歯茎が腫れる可能性のある悪性腫瘍は、歯茎がん悪性黒色腫(あくせいこくしょくしゅ)、悪性リンパ腫です。
50歳以上の男性に現れる傾向があり、症状が進行すると噛んだり飲んだりする機能が低下します。
また、発音がしにくくなる場合や、口が開かなくなる場合もあります。

口は首のリンパ節に近いため、リンパ節に転移すると首まで腫れが広がっていきます。
初めは口内炎と見分けがつきにくいため、放置されることもありますが2週間以上治らない場合や潰瘍や腫れが大きくなってきた場合は、早期に歯医者でみてもらいましょう。

歯茎の腫れを放置するリスク

01

自然治癒の可能性がある歯茎の腫れ

次のような歯茎の腫れは、1週間ほどで自然治癒することが多いです。

・口内炎
・擦過傷
・やけど

早く治したい場合は、歯医者で薬を塗布してもらうと痛みの緩和が期待できます。
もし1〜2週間経っても症状が改善しない場合は、ほかの原因で歯茎が腫れている可能性が高いです。
早期に歯医者を受診しましょう。

02

放置すると危険な歯茎の腫れ

■歯周病

原因となる歯垢や歯石を取り除く必要があります。
放置すると歯周病は進行していきます。
進行して歯周ポケットが深くなっている場合は、歯ブラシでは落としきれない歯垢や歯石が溜まっていることが多いため、歯医者で専用の機械を使用して落とす必要があります。

 

■智歯周囲炎

放置すると、ほかの歯にまで炎症が波及する場合や、歯茎が膿んで強い痛みが出る場合があります。

 

■歯の根の先に溜まった膿

膿が溜まり排膿する状態を繰り返すため、早急に歯医者で治療を受けましょう。

 

■歯の根が割れた

痛みがある場合は、細菌感染を起こしています。
放置しておいても自然に治ることはありません。

 

■食片圧入

食べかすが無くならないうちは、炎症が続きます。
痛みが治まらず、歯周病になる場合もあるため、早めに歯医者を受診しましょう。

 

■歯肉増殖症

進行すると呼吸困難を招く場合があります。
早期に歯医者を受診して対策を考えましょう。

 

■良性腫瘍、悪性腫瘍

放置すると、歯茎の腫れが大きくなる可能性があります。
とくに、悪性腫瘍は注意が必要です。

LION歯科・矯正歯科での
歯茎の腫れに対する治療

原因に応じてアプローチします

口腔内診査レントゲンの撮影などを行い、原因に応じてアプローチします。

口内炎、擦過傷、やけど

必要に応じて薬の塗布を行います。

 

■歯周病

クリーニングやスケーリングを行い、原因となる歯垢や歯石を取り除きます。
1回で改善することはできないため、歯磨き指導によるセルフケア定期的なクリーニングを何回か行いながら、治癒を目指します。
当院ではレーザーによる歯石除去歯周病菌の殺菌により、より効果的に歯周病を治す治療が可能です。

 

■智歯周囲炎

抗生剤の投与を行い、炎症が治るまで経過観察を行います。
根本的な原因を除去するために、必要に応じで親知らずの抜歯をおすすめする場合もあります。

 

■歯の根の先に溜まった膿

歯の神経の治療を行い、膿が溜まらないようにします。

 

■歯の根が割れた

基本的には抜歯を行い、歯がなくなったところはインプラントブリッジ、入れ歯をして噛む機能や発音機能を回復させます。

・食片圧入

食べかすを除去して、炎症が起きていた歯茎のまわりをきれいにします。

・歯肉増殖症

薬剤が影響している場合は、薬の変更ができるか医科と相談を行います。
薬の影響ではない歯肉増殖症の場合は、歯石プラークの除去を行い、必要に応じて増殖した歯茎を切り取る外科処置を行います。

・良性腫瘍、悪性腫瘍

良性腫瘍の場合は、リンパや血管に影響がなければ外科処置で切除します。
悪性の場合は、専門的な知識と技術による治療が必要なので、口腔外科を紹介いたします。

歯茎の腫れの対処法

■口内炎

ストレスや栄養不足が原因で起こることが多いため、休養や睡眠を十分にとり栄養バランスの良い食事を心がけましょう。

 

■擦過傷

歯ブラシで強く歯茎をこすらないようにしましょう。

 

■やけど

熱いものを食べるときは、適度に冷ましてから食べるようにしましょう。

 

■歯周病

歯に歯垢や歯石が溜まらないように、毎日の歯磨きを丁寧に行うように心がけましょう。
ブラシはできるだけ小刻みに動かし歯を1本ずつ磨くように意識します。
歯と歯の間は、フロス歯間ブラシを使って磨きましょう。
セルフケアだけで落とせない汚れや歯石がどうしてもできてしまうため、定期的に歯医者でクリーニングと歯石除去を行うとさらに効果的です。

 

■智歯周囲炎

頻繁に発症する場合は、親知らずの抜歯をおすすめします。

 

■歯の根の先に溜まった膿

歯の神経の治が必要です。
早めに歯医者を受診してください。

 

■歯の根が割れた

痛みがある場合は、炎症が広がる前に歯医者で対処する必要があります。
自然に治ることはありませんので、歯医者を受診しましょう。

・食片圧入
フロスワンタフトブラシで食べかすが取れないか試してみましょう。
すぐに取れない場合は、歯医者で除去してもらうことが望ましいです。

・歯肉増殖症
場合によっては薬の変更が必要になりますので、歯医者で一度みてもらうことをおすすめします。

・良性腫瘍、悪性腫瘍
自然には治らないため、歯医者で腫れているところを確認してもらいましょう。

よくある質問

歯茎に白いできものがあります。
口内炎ですか?

口内炎の可能性があります。
1〜2週間経っても治らない場合は、排膿や腫瘍などの可能性も考えられます。
歯医者で診断してもらいましょう。

急に歯茎が腫れて痛いです。
これはなんですか?

急性の歯周炎や智歯周囲炎、歯の根の破折など、さまざまな原因が考えられます。
早急に歯医者を受診しましょう。

歯茎が腫れて痛いですが、すぐに歯医者に行けません。
どうしたらいいですか?

まずは痛み止めを飲みましょう。
一時的に痛みが和らぎます。
激しい運動や入浴、アルコールの摂取などの血の巡りが良くなることは避け、患部を濡らしたタオルで冷やしましょう。

歯茎の腫れは何日くらいで治りますか?

ストレスによる歯茎の腫れなら、丁寧に歯磨きをすることで1〜2週間で治まる場合があります。
しかし、原因となる歯垢や歯石が溜まったままだと悪化していきます。

痛みはありませんが歯茎が腫れています。
ほっておけば腫れは引きますか?

原因によっては治療しないと手遅れになることがありますので、一度歯医者を受診しましょう。
腫れが引いても再発や悪化する場合があります。

著者 Writer

著者画像
横井 宏幸
役職:理事長
診療日:火・水・木・金・土

医療人として、人間として、
「信頼される歯科医院」を目指します。

【経歴】
神奈川歯科大学 歯学部 卒業
明海大学病院歯周病科 入局
2014年4月2日 LION歯科・矯正歯科 開院

【資格】
日本歯周病学会 認定医
歯科医師臨床研修指導医
歯科医師

【所属】
日本歯周病学会

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当院にはCT撮影が可能なレントゲンがあるため、大学病院に紹介されるような難易度の高い親知らずの抜歯も安全に行えます。

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