インプラント周囲炎とは?原因・予防法・治療法を徹底解説
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「インプラント周囲炎」と呼ばれる病気をご存じですか?
インプラント治療は、失った歯を取り戻す理想的な治療ですが、適切なケアを怠ると、トラブルを起こしかねません。
インプラント周囲炎とはどんな病気なのか、また原因や症状、予防法、治療法について詳しく解説します。
あなたは大丈夫??インプラント周囲炎を疑う5つのチェックポイント
以下のような症状が現れたら、インプラント周囲炎の可能性があります。
✔️歯茎の赤みや腫れ ✔️インプラント周囲の痛みや違和感
✔️歯茎からの出血 ✔️口臭の悪化 ✔️インプラントのぐらつき
インプラント周囲炎とは
インプラント周囲炎とは、インプラントの周囲組織が細菌に感染し、炎症を引き起こしている状態を指します。
これは「インプラントの歯周病」とも言える疾患です。
天然歯と異なり、インプラントは炎症に対する抵抗力が低いため、一度感染が起こると骨吸収(骨が溶けること)が急速に進行します。
インプラント周りの炎症の進行度は、大きく分けると二つの段階に分かれます。
・インプラント周囲粘膜炎
炎症が歯茎(粘膜)に留まっている段階です。
歯ぐきが腫れ、出血しやすくなります。インプラントの周りに、歯垢が溜まると引き起こされます。
←第一三共ヘルスケアより引用
・インプラント周囲炎
炎症が進行し、インプラント周囲の粘膜からインプラントを支える歯槽骨まで広がってしまった状態を指します。
このまま放置してしまうと、炎症が広がり、歯槽骨の破壊が徐々に進み、最終的にインプラントが抜け落ちてしまいます。
←第一三共ヘルスケアより引用
上記の病気の厄介な点は自覚症状が出にくいことです。
そのため、多くの患者さんが気づいたときには症状が進行し、治療が難しい段階に達していることも少なくありません。
なぜインプラント周囲炎が起こるのか?主な4つの原因
・プラークの蓄積
プラーク(歯垢)は、細菌が集まって形成される膜で、炎症の最大の原因です
適切なブラッシングを怠ると、インプラント周囲にプラークが蓄積し、細菌が繁殖します。
これにより、歯茎が腫れたり、骨が吸収されるリスクが高まります。
・喫煙
タバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させ、歯茎の血流を悪化させます
その結果、歯茎の免疫力が低下し、細菌に対する防御機能が大幅に弱まります。
さらに、タバコの煙に含まれる一酸化炭素が細胞の再生能力を低下させるため、炎症が治りにくくなります。
喫煙者は非喫煙者に比べて、インプラント周囲炎のリスクが約3倍高いと言われています。
また、治療後の経過も悪く、インプラントの寿命が短くなる傾向があります。
・咬合(噛み合わせ)の不良
天然歯は、噛む力を歯根膜を通じて分散しますが、インプラントにはこの機能がありません。
そのため、噛む力が過剰にかかると、周囲の骨や歯茎に負担が集中し、炎症や骨吸収を引き起こします。
・全身疾患
糖尿病や免疫力が低下する病気をお持ちの方は、細菌に対する抵抗力が弱いため、感染リスクが高まります。
特に血糖値が安定していない場合、インプラント周囲炎が進行しやすくなります。
予防がカギ!インプラントを守るために大切にしたい日常のケア
インプラント周囲炎を予防するためには、以下のポイントを意識することが重要です。
・正しいブラッシング
日々のブラッシングはとても重要です。しかし、歯ブラシだけではプラークの約60%程度しか除去できません。
フロスや歯間ブラシを使い、歯茎との境目を丁寧にケアしましょう。
・歯科医院での定期メンテナンス
インプラントの治療後は、メインテナンス期間に移行します。
術後の経過を確認することは、インプラントを長持ちさせるためにとても重要です。
3ヶ月〜半年に一度は、必ず定期検診を受け、専門的なクリーニングでプラークや歯石を取り除きましょう。
・禁煙を心がける
喫煙を控えることで、歯茎の健康を保ち、炎症リスクを減らせます。
・健康管理
糖尿病や他の全身疾患をお持ちの方は、病状をコントロールすることで、インプラントの健康を守れます。
まとめ
インプラント周囲炎は、予防と早期発見が重要です。
治療後もメンテナンスを怠らず、日々のケアを徹底することで、インプラントを長期間快適に使用することが出来ます。
当院では、インプラント治療後のアフターフォローや、定期検診でセルフケアのアドバイスまで丁寧に行っています。
気になる症状がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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