アデノイド顔貌とは?|原因・特徴・放置するリスク
「横顔がのっぺりしている」
「顔が間延びしている気がする」
「口元が出ているように見える」
そう感じたことはありませんか?
それは、アデノイド顔貌のサインかもしれません。
このコラムでは、アデノイド顔貌とは何か、原因・特徴・放置するリスク・歯科でできる治療法について、わかりやすく解説いたします。
アデノイド顔貌とは|原因も解説
アデノイド顔貌とは、鼻と喉の間にあるアデノイド(咽頭扁桃)の肥大により、鼻呼吸ができずに、長期間口呼吸が続いたことで形成される特有の顔つきを指します。
アデノイドの肥大は、2〜5歳くらいまでの子どもに多く見られ、6歳ごろにピークを迎えますが、その後は、成長と共に自然と小さくなることが多いと言われています。
しかし、アデノイド顔貌は、アデノイドの肥大だけが原因ではありません。
アデノイド肥大によって、鼻への空気の通り道が塞がり、その結果口呼吸が長く続くことで生じる顔つきとなります。
また、口呼吸は顔貌の変化だけでなく、咬み合わせにも影響します。口呼吸が原因で叢生(デコボコ歯並び)や開咬(ポカン口)の原因ともなります。
アデノイド顔貌を放置するとどうなる?
・歯並び・噛み合わせの悪化
下顎が成長しないと歯が並ぶスペースが確保できなくなり、歯並びや噛み合わせが悪くなります。悪い歯並びを放置するとより口呼吸になるなど悪循環になります。
・虫歯・歯周病のリスク増加
口呼吸により口腔内が乾燥すると、唾液の自浄作用が低下します。
そのため、虫歯や歯周病の原因菌が繁殖しやすい環境になってしまいます。
・睡眠障害(いびき・無呼吸)
鼻呼吸ができないことで、いびきがひどくなったり、睡眠時無呼吸症候群を引き起こすことも。
これにより日中の眠気や集中力低下にもつながります。
アデノイド顔貌の治療・改善法
・原因の除去
まずは、アデノイドや扁桃の肥大があるかどうかを耳鼻咽喉科で確認します。
必要に応じて、薬物療法やアデノイド切除術(アデノイド摘出手術)などの処置が行われ、鼻呼吸の改善を目指します。
・鼻呼吸へのトレーニング
口呼吸の習慣を改善するには、MFT(口腔筋機能療法)と呼ばれるトレーニングが有効です。
マウスピース型の装置を使用したり、舌の位置・唇の閉じ方・呼吸法を整える練習を通じて、自然な鼻呼吸を取り戻します。
・矯正治療
歯並びや顎の成長に影響が出ている場合は、矯正治療によって歯列や顎の位置を整えることが必要です。
特に成長期の子どもには、機能的矯正装置(拡大床やバイオネーターなど)を用いることで、骨格の改善も期待できます。
「口ゴボ」と「アデノイド顔貌」の違い
アデノイド顔貌と似た言い回しとして、「口ゴボ」という言葉をインターネットやSNSで見かけたことがある方もいるかもしれません。
この「口ゴボ」という言葉には、明確な医学的定義はありません。
一般的には、上下の唇や口元が前に突出して見える状態を指す俗称であり、ネット上では以下のような意味で使われています。
・上下顎前突(上下の歯やあごが全体的に前に出ている)
・上顎前歯の突出(出っ歯)
・口が「ゴボッ」と前に出たような横顔の印象
しかし、アデノイド顔貌は下顎が小さく、口元全体が前に出ている点が特徴で、顎から首の境目が分かりにくいという外見的な違いがあります。
口元が前に出るという共通点から「口ゴボ」の一種とされることもありますが、原因や骨格の構造には明確な違いがあると言えます。
まとめ
アデノイド顔貌は、ただの“顔立ちの特徴”ではなく、口呼吸や鼻づまり、あごの成長バランス、かみ合わせの乱れなど、さまざまな要因が重なって起こる状態です。
見た目の印象だけでなく、呼吸・発音・睡眠の質・口腔内の健康にも影響を及ぼすことがあるため、「少し気になるな」と感じたタイミングでの相談がとても重要です。
顔つきや口元、呼吸やかみ合わせの違和感は、適切な診断とケアによって、見た目も機能も改善を目指すことができます。
「これってもしかして?」と気になった方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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