初期むし歯と脱灰の関係とは?|放置するリスクと早期治療の重要性
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「むし歯になってしまったかも…」と思ったことはありませんか? むし歯は進行すると治療が必要になりますが、初期段階で正しくケアすれば進行を食い止めることが出来ます。今回はむし歯の初期症状とその対策について、わかりやすく説明していきます。
むし歯の初期症状とは?
むし歯は、歯の表面のエナメル質が細菌が出す酸によって溶かされることから始まります。 初期の段階では自覚症状が少ないため、気付かれないことも多いです。 むし歯の初期症状には以下のようなものがあります。
歯の表面に白い斑点が現れる
むし歯の初期段階では、歯の表面に白っぽい斑点が現れることがあります。これは「脱灰」と呼ばれる現象で、歯のエナメル質が酸によって溶け出し、カルシウムが失われているサインです。この段階ではまだ痛みはなく、歯を削る必要はありませんが、放置すると進行する可能性があります。
冷たいものや甘いものに対する軽い痛みや敏感さ
初期むし歯では、冷たい飲み物や甘い食べ物に対して歯がわずかに敏感になることがあります。痛みは一時的であり、長時間続くことは少ないため、自己判断で放置しがちです。しかし、この段階で歯科医師に相談すると、進行を防ぐことができます。
歯の表面がざらつく感じがする
脱灰が進むと、歯の表面が滑らかでなく、ざらつく感じがすることがあります。これはエナメル質が部分的に損傷しているサインです。この段階での処置が遅れると、むし歯が進行しやすくなります。
歯の色が変わる
初期段階のむし歯では、歯の色が少し黄色や茶色っぽく変化することがあります。特に歯のエナメル質が弱くなると、色の変化が目立ちやすくなります。
歯茎の周りに軽い腫れや炎症が起こる
初期のむし歯が歯茎に影響を与え始めると、歯茎がわずかに腫れたり、赤くなることがあります。この症状はむし歯が進行している兆候である可能性があります。
脱灰とは?
むし歯菌(ミュータンス菌)が作り出す酸によって、歯の表面にあるエナメル質からカルシウムやリン酸が溶け出してしまう現象です。これが進むと、歯の硬いエナメル質が弱くなり、むし歯ができやすい状態になります。
一方、「再石灰化」とは、脱灰で溶け出したカルシウムやリン酸が、唾液によって再び歯に取り込まれることです。このプロセスで、歯の表面が元の健康な状態に戻ることができます。
通常、脱灰と再石灰化がバランス良く繰り返されることで、歯の健康が維持されます。しかし、脱灰が再石灰化を上回る状態が続くと、歯の表面に小さな穴ができ、それが進行してむし歯になります。
脱灰と再石灰化の仕組みの図
初期むし歯の対策:進行を防ぐためにできること
むし歯の初期段階では、治療をしなくても正しいケアで自然に回復することがあります。
1.フッ素の塗布
フッ素入りの歯磨き粉を使うことで、歯の再石灰化を促進し、むし歯の進行を防ぐことができます。歯科医院で検診受ける際、最後にフッ素を塗ってもらうのもおすすめです。
2.正しい歯磨きやケアの方法を身につける
歯ブラシを歯と歯茎の境目に当てて、優しく磨きます。食べかすが残りやすい歯の隙間や奥歯を重点的に磨くことが大切です。また、歯ブラシだけでなくフロスや歯間ブラシを使用して細かいところまで清掃できるとより良いでしょう。
3.定期的な歯科検診を受ける
むし歯は初期段階では目に見えにくい場合もあります。 定期検診を受けることで、早期発見が可能になります。
4.食生活の見直し
間食や甘いものを控え、食後は歯を磨く習慣をつけると良いでしょう。唾液の分泌を促進するために、シュガーレスのガムを噛むのも効果的です。
まとめ
むし歯は初期段階のうちは、ご自身がケアを頑張れば進行を食い止めることができ、健康な歯の状態に戻すことができます。そのためにはむし歯を予防するための習慣づくりが大切です。
むし歯が出来てしまっていても定期的に歯科検診に行くことで早期発見・早期治療ができるので、健康な歯を長く保つことができます。少しでも気になる症状がある場合は、早めに歯科医院で受診することをおすすめします。
何か気になることやお悩みがある方は、お気軽にご相談ください。
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