歯の神経を抜くとどうなる?メリット・デメリットを解説
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「虫歯が進行してしまい、神経を取ることになった」
「神経を抜いた歯はどうなるの?」
このような不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
歯の神経を抜く処置は、専門的には根管治療と呼ばれ、歯を保存するために欠かせない重要な治療法の一つです。
しかし、神経を取ることで歯の状態や寿命に影響が出ることもあるため、事前にそのメリット・デメリットを正しく理解しておくことが大切です。
今回は、歯の神経を抜くとどうなるのかという内容について、分かりやすく解説致します。
歯の神経(歯髄)の役割とは?
歯の神経(正式には歯髄)は、歯の内部にある組織で、血管や神経繊維が集まっています。
歯に栄養や酸素を送り届けたり、外部からの刺激(冷たい・熱いなど)を感じたりする働きがあります。
また、歯髄は細菌の侵入に対して防御反応を起こす免疫的な働きも担っています。
つまり、歯髄は単なる「痛みを感じるセンサー」ではなく、歯の健康を保つうえで非常に重要な存在なのです。
歯の神経を抜く(根管治療)とは?
虫歯が進行して歯髄まで達すると、強い痛みや腫れが生じることがあります。
この状態になると、神経を残すことが困難になり、歯の内部の感染源を除去するために神経を取り除く治療=根管治療が必要になります。
神経を抜くメリット
痛みが軽減される
歯の神経を抜く最大のメリットは、痛みが軽減されるという点です。
神経まで達した虫歯は激しい痛みを伴います。神経を除去することで、痛みや腫れの原因を取り除くことができます。
天然歯を残すことが出来る
虫歯が神経にまで達すると、痛みや炎症が強くなり、やがて歯根まで深刻なダメージを受けることがあります。
そのまま放置してしまうと、最終的に歯を残すことが難しくなり、抜歯が必要になることもあります。
神経を抜くデメリット
歯がもろくなる
神経を失った歯は、血流が絶たれることで栄養が届かなくなり、時間の経過とともに脆くなる傾向があります。
強い力が加わると割れてしまうリスクがあるため、多くの場合、被せ物で保護します。
再感染のリスク
根管治療は非常に繊細な処置であり、目に見えないほど細い根管が複雑に枝分かれしていることもあるため、完全に感染源を取り除けない場合もあります。
その結果、再感染を起こす可能性があります。
色が変わることがある
神経を抜いた歯は、時間が経つと黒ずんだり色が変化することがあります。
前歯など審美的な部位では、ウォーキングブリーチやセラミック治療などの審美回復が必要になることもあります。
神経を抜いた歯の寿命は短くなる?
神経を抜いた歯は「枯れ木のような状態」と比喩されることがあります。
神経がある歯と比べると、耐久性や免疫力が下がるため、適切な管理がされなければ寿命が短くなる可能性があります。
しかし、定期的なメンテナンスや適切な補綴処置を行えば、長期間機能させることは十分に可能です。
特にマイクロスコープやラバーダムを用いた精密な根管治療は、治療成功率を高める手助けになります。
一方で、すべてのケースで神経を抜く治療が最適とは限りません。
たとえば、神経に近い深い虫歯でも、「歯髄温存療法(生活歯髄療法)」と呼ばれる神経を残す治療が選択できる場合もあります。
これは、歯の状態や炎症の程度によって判断される治療方針です。
治療の選択は、歯科医師の診断だけでなく、患者様のご希望やライフスタイルにも関わってきます。
大切なのは、「なぜ神経を抜くのか」「どんなリスクがあるのか」をきちんと説明してもらったうえで判断することです。
まとめ
歯の神経を抜くことはメリットもありますが、デメリットも多い治療法です。
歯の神経を抜くと聞くと不安に感じる方もいらっしゃいますが、まずは歯の状態や治療の選択肢について、納得できるまで相談することが大切です。
歯の神経を抜くべきか・また、根管治療についてお悩みの方は、ぜひ一度当院までご相談ください。皆様のご来院をお待ちしております。