インプラントの寿命は何年?一生保たせるためのケアと注意点
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「インプラントは一生保ちますか?」
インプラント治療を検討する方にとって、もっとも気になるポイントのひとつが「寿命」です。
インプラントは、見た目や噛む力が天然歯に近く、ブリッジや入れ歯と比べて高い耐久性があります。
しかし、インプラントにも寿命があり、永久的に問題なく使えるとは限りません。
今回は、インプラントの平均寿命、長持ちさせるためのポイント、寿命を縮める原因について、歯科医院の視点から詳しく解説します。
インプラントの寿命は平均どれくらい?
インプラントは、チタン製の人工歯根(フィクスチャー)・アバットメント(連結部分)・人工歯(上部構造)の3パーツで構成されています。
・人工歯根(フィクスチャー)
適切なケアが行われれば、10年以上機能し、20年以上もつケースもあります。
近年はインプラント素材や表面加工の技術向上により、さらに長持ちしやすくなっています。
海外の研究データでも、10年後の生存率は約90〜95%と報告されています。
・人工歯(上部構造)
噛む力による摩耗や破損の影響で、5〜15年程度で修理や交換が必要になることがあります。
インプラントが一生保たない原因とは?
インプラントは非常に丈夫ですが、メンテナンス不足や生活習慣の影響で寿命が短くなることがあります。
主な原因は以下の通りです。
1)インプラント周囲炎(歯周病のような炎症)
プラークや歯石がたまると、歯茎が炎症を起こし、骨が溶けてインプラントがぐらつくことがあります。
天然歯以上に注意が必要です。
2)強い噛みしめ・歯ぎしり
過剰な咬合力は、上部構造の破損や、骨へのダメージにつながります。
3)喫煙習慣
喫煙は血流を悪化させ、インプラントの骨との結合を妨げるだけでなく、長期的に炎症リスクを高めます。
4)メンテナンス不足
定期検診を受けずに放置すると、トラブルが進行して気づいたときには手遅れになることもあります。
インプラントを長持ちさせる5つのポイント
インプラントの寿命は日常のケアや歯科医院でのメンテナンス次第で大きく変わります。
以下のポイントを実践することで、寿命を最大限延ばすことが可能です。
1)毎日の丁寧な歯磨き
インプラント周囲は天然歯よりも細菌がたまりやすい傾向があります。
インプラント専用ブラシ、歯間ブラシ、フロスを使い、歯と歯茎の境目をしっかり清掃しましょう。
2)3〜6か月ごとの定期検診
歯科医院でのプロフェッショナルクリーニングや噛み合わせチェックは不可欠です。
早期発見・早期対処が寿命延長のカギです。
3)ナイトガード(マウスピース)の利用
歯ぎしりや食いしばりがある場合、ナイトガードを就寝中に装着することでインプラントへの負担を大幅に軽減できます。
4)禁煙・節煙
喫煙はインプラントの大敵です。禁煙または本数を減らすだけでも寿命は変わります。
5)バランスの良い食生活
栄養バランスが乱れるとインプラント周囲の健康が損なわれ、インプラントの安定性にも悪影響を及ぼします。
天然歯との違いと耐久性
天然歯は神経や血管を持ち、自然の再生力がありますが、インプラントは人工物のため自己修復能力はありません。
だからこそ、天然歯以上に定期的なケアが必要です。
逆に言えば、しっかりメンテナンスを続ければ、20年、30年と使い続けることも可能です。
インプラントは一生使える?
結論として、インプラントは「一生もの」とは言い切れないですが、寿命を延ばす努力次第で非常に長く使える治療法です。
特に、治療後のメンテナンス体制が整っている歯科医院であれば、トラブルを防ぎながら長期的に快適な噛み心地を維持できます。
まとめ:寿命を延ばすには「治療後」が重要
・人工歯根は10年以上、20年以上使える例も多い
・上部構造は5〜15年で交換が必要な場合あり
・インプラント周囲炎・噛み合わせ・喫煙が寿命を縮める
・毎日のセルフケアと歯科医院でのメンテナンスが最重要
インプラントは決して安い治療ではありませんが、治療後のケアや生活習慣によって寿命は大きく左右されます。
毎日の適切なセルフケアと、歯科医院での定期的なメンテナンスを継続することが、インプラントを長く快適に使うための最大のポイントです。
当院では、患者様の生活習慣やお口の状態に合わせたメンテナンスプランをご提案し、「長期的に安心して使えるインプラント」の実現をサポートしています。
治療をご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。