親知らずは抜くべき?抜歯の痛み・費用・メリットまで解説
親知らず
「親知らずって抜いた方がいいのかな?」そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。親知らずは、人によって生え方や本数が異なります。まっすぐきれいに生えている方もいれば、斜めや横向きに埋まっていたり、そもそも親知らずが生えてこない方もいます。
一番奥にあるため、磨き残しが多くなりやすく、腫れ・痛み・むし歯・歯周病などのトラブルの原因になることもありますが、すべての親知らずを抜かなければいけないわけではありません。今回はよくいただくご質問にお答えしながら、親知らずについて詳しくお話しします。
Q.親知らずは抜かないといけないの?
A. いいえ、必ずしも抜く必要はありません。まっすぐ生えていて、周りの歯や歯茎に悪影響がなければ、そのまま様子をみることもあります。
ただ、将来的に腫れや痛みが出そうな場合や隣の歯を圧迫している場合には、早めの抜歯をおすすめすることもあります。
Q. 抜くときは痛いですか?
A. 抜歯中は麻酔が効いているので、ほとんど痛みは感じません。体調や人によって感じ方に違いはありますが、痛み止めや腫れ止めのお薬をきちんと飲めば、痛みはしっかりコントロールできますのでご安心ください。
Q. 抜いた後、どれくらいで治りますか?
A. 通常は1〜2週間ほどで落ち着きます。最初の数日は腫れたり、口が開けづらくなったりすることもありますが、徐々に回復していきます。完全に傷がふさがるまでには、数週間かかることもあります。
Q. 抜歯後に気をつけることは?
A.以下の点にご注意ください。
傷口は触らない:気になるかもしれませんが、舌や指で触ると治りが遅くなってしまいます。
うがいは優しく:強いうがいをすると、傷口をふさぐ血のかさぶたが取れてしまうことがあります。
歯磨きは控えめに:抜いた部分は当日避けて磨きましょう。
食事は麻酔が切れてから:熱いものや硬いものは避けてください。
出血したら:清潔なガーゼやティッシュを軽く噛んで15〜20分ほど圧迫してください。
当日は湯船・運動・お酒・タバコを控える:血流がよくなり出血しやすくなりますので、シャワー程度にとどめてください。
Q. 費用はどれくらいかかりますか?
A .保険適用の範囲内で、
☆通常の抜歯で5,000〜6,000円程度(初診・レントゲン含む)
☆難しい抜歯(埋まっている歯など)の場合、さらに4,000〜5,000円程度
ケースによって変わりますので、詳しくは診察時にご説明します。
Q. 親知らずが原因で頭痛が起こることはありますか?
A.あります。親知らずが神経を圧迫していたり、炎症が広がっていると、頭痛や首のこり、耳の奥の痛みを感じることがあります。その場合は、親知らずの状態をしっかり調べて対処する必要があります。
Q. 何歳くらいまでに抜くのがいいですか?
A.一般的には10代後半〜20代半ばが抜歯に適しているとされています。骨が柔らかく、抜くのも治りも早いためです。年齢が上がると骨が硬くなり、腫れやすくなったり、治りにくくなる場合もあるので、早めの判断が大切です。
親知らずが他の歯を押してしまい痛みが生じる様子
歯茎が被さっており炎症を引き起こしている様子
親知らずと隣の歯の間に汚れが溜まりむし歯になっている様子
実際の症例より
こちらの患者さんは、右上・右下・左上の親知らずはきれいに生えていましたが、左下の親知らずだけが横向きに埋まっている「水平埋伏」の状態でした。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
抜いたことでスッキリし、日々のケアもしやすくなりました。
◻︎親知らずを抜く【メリットとデメリット】
抜歯のメリット
日々のケアがしやすくなる
歯ブラシが届きにくい親知らずがなくなることで、むし歯や歯周病の予防につながります。
手前の歯を守れる
斜めや横向きの親知らずが、隣の歯にダメージを与えるのを防げます。
口臭や腫れなどのリスクが減る
親知らず周囲に汚れがたまりにくくなり、清潔に保ちやすくなります。
抜歯のデメリット
術後の痛み・腫れ
特に下あごの親知らずは腫れが出やすい傾向があります。
神経の近くにある場合は注意が必要
CTでしっかり確認し、リスクがある場合は専門の病院をご紹介しています。
将来の移植の選択肢がなくなる
親知らずは、場合によっては他の場所への移植に使えることもあります。
◼︎親知らずに関するちょっとした豆知識
「親知らず」という名前の由来
生える時期(10代後半〜20代)にはすでに親が子どもの成長をあまり見なくなっている時期、ということから名づけられたと言われています。
英語では “Wisdom tooth”
「知恵がつく頃に生える歯」という意味があります。
すべての人にあるわけではない
もともと親知らずが1本もない人もいれば、1〜2本だけの方もいます。
◻︎最後に
親知らずは、一見問題なさそうに見えてもレントゲンで確認すると問題が見つかることがあります。
痛くなる前に相談いただくことで、治療もスムーズに進められます。少しでも気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
皆さまのご来院を心よりお待ちしております。