歯周病はうつる?感染の仕組みと予防策を徹底解説
歯周病
「歯周病って人からうつることがあるの?」
身近な疑問ですが、意外と知られていない方が多いかもしれません。
実は、歯周病は細菌による感染症です。
そのため、状況によってはうつる可能性がある病気と考えられています。
ここでは、歯周病がどのように感染するのか、うつらないためにできる対策を分かりやすくご紹介します。
歯周病ってどんな病気?むし歯との違い
まずは「歯周病とは何か」を簡単に整理しておきます。
・むし歯:歯そのものが溶けていく病気
・歯周病:歯を支えている「歯茎」や「歯槽骨」が炎症を起こし、少しずつ壊れていく病気
歯周病の主な原因は、歯の表面につくプラーク(歯垢)の中にいる細菌です。
この細菌が毒素を出し続けることで、次のような症状が出てきます。
・歯茎が赤く腫れる
・歯ブラシのときに出血しやすい
・口臭が強くなる
・歯が浮いたような感じがする
・進行すると歯がグラグラして抜けてしまうことも
日本では30代以降の多くの人が何らかの歯周病の症状を持っていると言われており、とても身近な病気です。
歯周病はなぜ「うつる」と言われるのか
歯周病は、特定の細菌(歯周病菌)が関わる感染症です。
これらの細菌は唾液中に存在するため、唾液を介して他の人の口の中に移る可能性があります。
主な感染経路の例
・キス
・同じ箸やスプーン、フォークを使い回す
・ペットボトル・コップの回し飲み
・口移しで食べ物を与える
・歯ブラシを共有する、近くにまとめて保管して接触する
特に、夫婦・恋人・親子のように距離が近い関係では、長い時間をかけてお口の中の細菌が似てくると言われています。
「うつる=すぐ歯周病になる」ではありません。
ここで大事なのは、
歯周病菌がうつったからといって、すぐに歯周病になるわけではないという点です。
同じ歯周病菌がいても、
・歯磨きが丁寧でプラークが少ない人
・規則正しい生活で抵抗力がある人
では、歯周病がほとんど進行しないこともあります。
逆に、次のような条件が重なると、歯周病が進行しやすくなります。
歯周病が進行しやすくなる条件
・歯磨きの回数が少ない、または磨き残しが多い
・間食や甘い飲み物の回数が多い
・喫煙習慣がある
・ストレスが多く、睡眠不足が続いている
・糖尿病などの全身疾患がある
・妊娠中・更年期などホルモンバランスが変化している
・歯並びが悪く、磨きにくいところが多い
「菌の存在」+「生活習慣」+「体の状態」
この3つのバランスで、歯周病になるかどうか・どれくらい進行するかが決まってきます。
家族やパートナーを守るために
歯周病の感染や悪化を防ぐには、以下の予防や対策が効果的です。
◆ セルフケアの見直し
・毎食後に丁寧な歯磨きを行う
・歯ブラシに加えてフロスや歯間ブラシを使用
・歯ブラシは1〜2ヶ月毎に交換
・歯ブラシは共有せず、接触しないように保管
◆ 生活習慣を整える
・喫煙は歯周病を悪化させるため、禁煙・減煙を検討
・質の良い睡眠と適度なストレス解消を意識
・バランスの良い食事で免疫力をサポート
◆ 歯科医院でのケア
・半年に1回以上の定期検診・クリーニング
・歯茎の検査(歯周ポケット検査)で状態を把握
・出血や口臭などの症状があれば、早めに相談
1つでも継続することで、歯周病のリスクを大きく減らすことができます。
まとめ|歯周病は予防できる感染症
・歯周病は唾液を介してうつる可能性がある
・ただし、生活習慣とケア次第で発症や進行を防げる
・身近な人と一緒に取り組むことで予防効果が高まる
「出血が続く」「口臭が気になる」など、小さなサインでも早めの対策が大切です。
気になることがあれば、お気軽にご相談ください。






