食事中や歯磨きの際に、
「口の中でカチッと音がした」
「何か取れた感じがする」
そんな経験はありませんか？

歯の詰め物（インレー）や被せ物（クラウン）が取れてしまうことは、決して珍しいことではありません。
ただし、取れた状態をそのままにしてしまうと、歯に悪影響を及ぼす可能性があります。
今回は、詰め物・被せ物が取れてしまったときの正しい対処法について解説します。

詰め物・被せ物が取れてしまう原因

詰め物や被せ物が外れてしまう背景には、いくつかの原因があります。

接着剤の劣化
詰め物・被せ物は、専用の接着剤で歯に固定されています。
長期間使用することで接着力が弱まり、外れてしまうことがあります。

内部でむし歯が進行している
見た目では分かりにくいですが、詰め物や被せ物の内側でむし歯が進行すると、土台の歯が弱くなり外れやすくなります。

噛みしめ・歯ぎしり
無意識の噛みしめや歯ぎしりによって、詰め物や被せ物に強い力がかかることも原因の一つです。

硬いもの・粘着性のある食べ物
氷や硬いせんべい、ガムやキャラメルなども、取れてしまうきっかけになることがあります。

詰め物・被せ物が取れたときに「やっていいこと」

取れたものは捨てずに保管する
状態によっては、そのまま再装着できるケースもあります。
ティッシュなどに包み、清潔な状態で保管しましょう。

できるだけ早く歯科医院へ連絡する
痛みがなくても、放置せず早めの受診が大切です。

食事は反対側で、刺激を避ける
取れた部分では噛まず、熱いもの・冷たいもの・甘いものは控えましょう。

詰め物や被せ物が取れた時に「やってはいけないこと」

市販の接着剤でつける
瞬間接着剤などは絶対にNGです。
歯や歯茎を傷め、治療が複雑になる恐れがあります。

無理に押し込む
ズレた状態で入れてしまうと、噛み合わせが合わなくなったり、歯を傷つける原因になります。

そのまま放置する
「痛くないから大丈夫」は危険です。
取れてしまった時は、放置せず必ず歯科医院へ行くようにしましょう。

放置するとどうなる？考えられるリスク

・歯の内部でむし歯が進行する
・神経まで炎症が及び、強い痛みが出る
・最悪の場合、抜歯が必要になることも

詰め物・被せ物は、歯を守る“フタ”の役割。
取れた状態は、無防備なまま放置しているのと同じです。

まとめ｜取れたら「早めの受診」が一番の対処法

詰め物や被せ物が取れてしまった場合、

・自己判断でつけ直さない
・放置しない
・できるだけ早く歯科医院へ相談

この3つが、歯を長く守るための最善の対応です。
少しでも違和感がある場合は、お気軽にご相談ください。