骨隆起とは?放置すると危険?原因・治療法を詳しく解説
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◼︎骨隆起とは?
「口の中に硬いコブのようなふくらみがある」、「癌や腫瘍ではないか心配…」と不安に思って来院される方は少なくありません。
その正体のひとつが骨隆起(こつりゅうき)です。
骨隆起とは、あごの骨が一部だけ過剰に発達して、コブのように盛り上がった状態を指します。
医学的には外骨症(がいこつしょう)とも呼ばれます。
基本的には良性で病気ではなく、放置しても大きな問題を起こすことは多くありません。
ただし、大きさや位置によっては日常生活に影響を与えることがあるため、知っておくことが大切です。
◻︎骨隆起ができる原因
骨隆起の明確な原因は完全には解明されていませんが、以下のような要因が関与すると考えられています。
①噛み合わせや歯ぎしり・食いしばり
強い力が長期間加わると、その刺激に適応するように骨が厚くなります。
②遺伝的要因
家族内で似たような骨隆起が見られることがあり、体質的な影響が考えられています。
◼︎骨隆起の種類とできやすい場所
骨隆起は口の中のさまざまな部位にできますが、代表的なのは次の2つです。
口蓋隆起(こうがいりゅうき)
上あごの真ん中(口蓋=口の中の天井部分)にできる硬いふくらみ。
下顎隆起(かがくりゅうき)
下の前歯から小臼歯の舌側(内側)にできる硬いふくらみ。
このほか、上顎・下顎ともに頬側(歯茎の外側)にできることもあります。
◻︎骨隆起の症状
骨隆起自体は良性で、痛みや腫れといった症状はほとんどありません。しかし以下のようなトラブルを招くことがあります。
・入れ歯(義歯)が安定しない、当たって痛い
・発音がしづらくなる
・食事のときに食べ物が当たり、傷つきやすい
・大きくなると見た目や違和感が強くなる
こちらは下顎の骨隆起の症例写真です。赤丸の箇所が骨隆起です。
◼︎放置しても大丈夫?
多くの場合、骨隆起はそのままにしていても問題はありません。ただし、次のような場合には歯科医院での対応が必要です。
・入れ歯が合わず、痛みや不快感が強い
・大きくなって発音や咀嚼に支障が出る
・硬い食べ物やブラッシングで頻繁に傷つく
・見た目が気になり、生活に支障がある
◻︎骨隆起の治療法
骨隆起は必ずしも治療が必要なものではありません。経過観察で済むケースが多いですが、上記のような支障がある場合には外科的に除去することがあります。
治療の流れ
・局所麻酔をして、歯ぐきを切開し、盛り上がった骨を削って整えます。その後縫合し、数週間で治癒していきます。
・入院の必要はなく、通常は外来で可能
・再発の可能性は低い
ただし歯ぎしりや噛み合わせが強いと、再び骨が発達することもあります。
◼︎よくある質問(FAQ)
Q.骨隆起は癌や腫瘍と関係ありますか?
A.関係ありません。良性の骨の増殖で、悪性化することもありません。
Q.自然に小さくなりますか?
A.基本的に自然に消えることはなく、気になる場合は外科的な除去が必要です。
Q.遺伝しますか?
A. 家族内で見られることがあり、遺伝的傾向があるといわれています。
Q.手術は痛いですか?
A.局所麻酔を使用するため、手術中の痛みはほとんどありません。術後は数日間腫れや違和感が出ることがあります。
◻︎まとめ
骨隆起は、口の中にできる骨のふくらみで、良性のため過度な心配は不要です。多くの場合は治療を必要としませんが、義歯が合わない・発音や食事に支障がある・頻繁に傷つくといった場合には、歯科医院での外科的処置が有効です。
「口の中に硬いコブのようなものがある」「骨隆起かもしれないけど心配」という方は、自己判断せず歯科医院で相談してみるのも良いかもしれません。
早めの診断で安心につながります。