「朝起きると口の中がネバネバする」 「最近、口が乾きやすくて気になる」

こういった症状は、誰しも一度は感じたことがあるはずですが、いつもより強く感じたり、日中も続いたりする場合は注意が必要です。お口のどこかでトラブルが進行しているサインかもしれません。
今回は、口の中がネバネバする原因と今日からできる改善法を分かりやすく解説します。

なぜ口の中がネバネバするのか？

お口のネバつきは、主に唾液の減少と細菌の増加で起こります。お口の中には食事や呼吸のたびに、何億もの細菌が潜んでいます。通常は唾液が汚れを洗い流し、細菌の増えすぎを防いでくれています。

ところが、唾液が少なくなると細菌が繁殖し、歯垢（プラーク）や舌苔となってネバネバした不快感として現れるのです。特に寝ている間は唾液量がぐっと減るため、起床時の粘つきが強くなります。

ネバネバを引き起こす主な原因

①歯周病（最も多い原因の一つ）
歯肉の炎症が進むと、細菌が作る毒素や膿が増え、強い粘つきや口臭が出ることがあります。「歯茎が腫れる」、「出血しやすい」などの症状があれば要注意です。歯周病は初期症状が少なく、気づかないうちに進行します。

②唾液量の減少（ドライマウス）
唾液が減ると細菌が増えやすくなります。乾燥の原因はさまざまです。
・加齢
・ストレス・緊張
・薬の副作用（抗アレルギー薬、高血圧薬、抗うつ薬など）
・口呼吸
・喫煙

③不十分な歯磨き・舌の汚れ
夜の磨き残しがそのまま睡眠中に細菌の巣へ。舌の上の白い苔状の汚れ（舌苔）も細菌の温床になり、ネバつきや口臭の原因になります。

④糖質の多い食生活
細菌は糖をエサに増殖します。寝ている間は細菌が一気に増えるため、夜遅い飲食は特に影響が強くなります。

⑤ストレスや生活習慣の乱れ
ストレスが続くと自律神経が乱れ、唾液分泌量が低下します。

放置するとどうなるの？

ネバネバを放っておくと…
・むし歯になりやすくなる
・歯周病が悪化する
・口臭が強くなる
・口内炎などのトラブルが増える
・食事がしにくくなる

口のネバネバは、お口からの黄色信号と考えてください。

今日から始められるネバネバ改善方法

①毎日の歯磨きを見直す
・歯ブラシ＋フロス（または歯間ブラシ）
・舌清掃を軽く行う（やりすぎはNG）。特に就寝前のケアは最重要です。

②水分補給をしっかりとする
水をこまめに飲むことで唾液が出やすくなります。砂糖入り飲料は逆効果なので注意しましょう。

③ガムを噛む
キシリトールガムは唾液分泌促進に効果的です。

④口呼吸を改善する
鼻呼吸習慣を意識しましょう。普段の生活の中でひどいいびきや鼻づまりがある場合は、耳鼻咽喉科への受診を促すことがあります。

⑤規則正しい生活を送る
睡眠不足・ストレスは唾液の大敵。リラックスする習慣を作りましょう。

⑥歯科での定期管理
・プロによるクリーニング（PMTC）
・歯周病検査
・唾液検査
などで原因に応じた治療が行えます。
※LION歯科・矯正歯科では唾液検査は行っておりません。

それでも治らない場合は？

以下の症状があれば、歯科医院への受診をおすすめします。
・ネバネバが強くなってきている
・口臭をよく指摘される
・歯茎の腫れ・出血がある
・口の乾きがずっと続く
・多くの薬を飲んでいる
原因によっては、歯周病治療やドライマウスのケア、生活習慣の改善など医療的介入が必要な場合があります。

まとめ：ネバネバは体からのSOS

口の中のネバつきは、ただ不快なだけではありません。細菌の増加や唾液不足により、むし歯・歯周病・口臭につながるサインです。
気になる症状があれば、早期に対処することで健康な口内環境を取り戻すことができます。

お口の状態は、全身の健康にもつながっています。「最近口の中のネバつきが気になるな…」という方は、お気軽に当院へご相談ください。皆様のご来院を心よりお待ちしています。