舌苔の正しい取り方|口臭の原因と安全なケア方法を歯科医師が解説

実際に舌の表面につく「舌苔(ぜったい)」は、口臭の一因になることがあります。ただし、間違った方法で取ろうとすると、かえって状態を悪くしてしまうこともあります。
今回は舌苔の正しい取り方と注意点について、歯科医師の視点からわかりやすくお伝えします。
舌苔とは?どんな状態?
舌苔とは、舌の表面に付着する白っぽい汚れのことです。舌の表面には細かい凹凸(舌乳頭)があり、その隙間に「食べかす」「細菌」「はがれた口腔内の粘膜」などが溜まることで形成されます。
誰にでも多少はつくものですが、厚くなっている場合はケアが必要です。
舌苔がつく原因
舌苔が増える背景には、いくつかの要因があります。
口の中が乾いている
唾液には汚れを洗い流す働きがあります。口呼吸やストレスなどで唾液が減ると、舌苔がつきやすくなります。
歯磨きが不十分
お口全体の清掃状態が悪いと、細菌が増え舌にも付着しやすくなります。
体調不良や免疫低下
風邪をひいたときなどに舌が白くなるのはこのためです。
舌の清掃不足
舌のケアをまったくしていない場合も、徐々に蓄積していきます。
舌苔を放置するとどうなる?
舌苔が多い状態を放置すると、主に口臭の原因になります。舌苔に含まれる細菌がにおいの元となるガスを発生させるためです。
実際に厚生労働省のe-ヘルスネットでも、口臭の原因の一つとして舌苔との関連が紹介されています。
▶︎ e-ヘルスネット(厚生労働省)
また、細菌が増えた状態は歯周病やむし歯のリスクにも関わります。ただし無理に取りすぎることも問題で、バランスの良いケアが大切になります。
舌苔の正しい取り方
舌苔をとるには「やさしく・適度に」が基本です。
①専用の舌ブラシを使う
歯ブラシではなく、舌専用のブラシを使用します。舌を傷つけにくい設計になっています。
②奥から手前に軽く動かす
力を入れず、なでるように動かします。ゴシゴシこするのは逆効果です。
③1日1回で十分
やりすぎると舌を傷つけ、逆に汚れがつきやすくなります。朝の歯磨き時に軽く行う程度で問題ありません。
④乾燥対策も意識する
水分補給や唾液を出す習慣(よく噛むなど)も大切です。
歯科医院でできるケア
舌苔がなかなか改善しない場合は、歯科でのチェックをおすすめします。当院では口腔内全体の状態を確認し、歯周病の有無や磨き残しの傾向 、口臭の原因などを総合的に評価します。
必要に応じて、歯の汚れや細菌の除去を目的とした専門的なクリーニングを行い、舌苔が付きにくい口腔環境を整えます。
また、ご自宅でのセルフケアの方法も丁寧にお伝えしています。ご自身では気づきにくい原因が見つかることも少なくありません。
よくある質問
Q.舌苔は毎日取ったほうがいいですか?
A.基本的には1日1回程度で十分です。舌はとてもデリケートなため、何度もこすりすぎると粘膜を傷つけてしまい、逆に舌苔がつきやすくなることもあります。朝の歯磨き時などにやさしくケアするようにしましょう。
Q.歯ブラシでこすってもいいですか?
A.あまりおすすめしません。毛が硬く、舌を傷つける可能性があります。専用の舌ブラシを使用してください。
Q.舌が白いのはすべて舌苔ですか?
A.すべてが舌苔とは限りません。状態によっては他の原因も考えられるため、気になる場合は一度ご相談ください。
担当医からのコメント
舌苔は誰にでもあるものですが、増えすぎると口臭の原因になります。大切なのは、正しい方法でやりすぎず、お口全体のケアと合わせて行うことです。自己流で強くこすってしまうと、かえって悪循環になることもあります。気になる症状が続く場合は、原因をしっかり確認することが改善への近道です。不安な点があれば、お気軽にご相談ください。


