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八重歯

八重歯の印象

八重歯は、日本では「笑ったときに見える八重歯がかわいい」と好印象を持たれることがありますが、海外ではあまり印象がよくありません。

日本でも治したいという方が増加傾向にあります。

八重歯は見た目だけでなく、噛み合わせや歯の健康にも悪い影響を与える場合があります。
健康のために、八重歯のリスクをしっかりと理解して、対策を行いましょう。

目次

こんなお悩みありませんか?

  • 八重歯が出ている
  • 笑ったときに八重歯が目立つ
  • 八重歯が邪魔で口が閉じにくい
  • 口を閉じると口元が盛り上がる

八重歯とは

さまざまな八重歯の状態

八重歯とは、前から3番目の歯(犬歯)が外側に飛び出し、隣の歯と重なって生えている状態のことを指します。
凸凹した歯並びの総称である「叢生(そうせい)」の一種で、杭が乱れて刺さっているような歯並びであることから「乱杭歯(らんぐいば)」とも呼ばれています。

八重歯にも次のようないくつかのパターンがあります。

 

■犬歯がほかの歯よりも高い位置から生えている

唇を持ち上げないと犬歯の根元が見えないくらい歯茎の上のほうに生えていることもあります。
犬歯が牙のように見える場合もあります。

 

■犬歯がほかの歯よりも外に飛び出ている

ほかの歯と同じ高さに生えていますが、唇の方に斜めに飛び出たり隣の歯と段差ができて凸凹になっている場合もあります。
隣の歯と半分以上重なって生えている場合や、犬歯がねじれている場合もあります。

 

■ほかの不正咬合をともなっている

出っ歯受け口過蓋咬合(上の前歯が下の前歯に覆いかぶさっている状態)など、前後的、垂直的な噛み合わせの問題を同時に抱えている状態です。
八重歯に注目が集まるため自覚していないことも多いですが、基本的には噛み合わせにも問題があることが多いです。
矯正治療を行う際は、全体の噛み合わせも考慮して行います。

八重歯と犬歯の違い

八重歯と犬歯は混同されることがありますが、八重歯は「歯並びの種類」、犬歯は「歯の名前」を指します。

犬歯は、歯列中央の前歯から数えて3番目にある歯です。
縦に長いひし形で、先端が尖っています。
八重歯は、犬歯が歯茎の上のほうから生えている状態や、ほかの歯よりも前に飛び出して生えている状態の歯並びのことです。

そのため「犬歯が八重歯になる」という言い方はしますが、歯列に収まって生えている犬歯のことを「八重歯」とは呼びません。

八重歯の原因

八重歯の原因は、遺伝による顎の大きさと歯の大きさのバランスが考えられます。
そのほか、犬歯が生えてくる順番乳歯が抜けるタイミング過剰歯の存在も八重歯の原因になる場合があります。

顎と歯の大きさのバランス

顎の大きさに対して歯が大きいと、犬歯が生えるスペースを確保できないため、八重歯になる場合があります。

 

顎と歯の大きさは、遺伝によって受け継がれることが多いです。
両親や祖父母に八重歯の方がいる、八重歯でなくても顎が小さくて歯並びが凸凹している場合は、似たような歯並びになる可能性があります。

 

歯の大きさを変えることは基本的にできません。
顎と歯の大きさのバランスが八重歯の原因になっている場合は、矯正治療で「顎の大きさを整える」「歯を抜く」ことによって、八重歯のスペースを確保することになります。

犬歯が生えてくる順番

八重歯は、犬歯が生えてくるスペースが不足することで起こりますが、その原因は乳歯から永久歯に生え変わる順番が関係しているといわれています。

とくに八重歯になりやすい上顎の犬歯は、生え変わる順番が遅く、両隣の歯が生え変わったあとに乳歯が抜けて犬歯が生えてきます。
そのため、先に生えた両隣の永久歯が寄ってきて、犬歯が生えるスペースを小さくしてしまうことがあります。

個人差はありますが、多くの方の生え変わりの順番は同じです。
犬歯は生え変わりの順番的に、八重歯になりやすい傾向があります。

乳歯が抜けるタイミング

乳歯が抜けるタイミングが早い遅いと、八重歯になる場合があります。

 

犬歯が生えるところにある乳歯は「乳犬歯」です。
通常であれば、顎の中で犬歯が作られるときに乳犬歯の根を押し出して溶かすことで、乳犬歯が抜けて犬歯が生えてきます。

 

しかし、何らかの原因で乳犬歯が抜けるタイミングが早くなったり遅くなったりすると、犬歯がなかなか生えてこないため、両隣の歯が寄ってきて犬歯のスペースを奪ってしまいます。
これにより、犬歯が生えるときに外側に押し出されて、八重歯になります。

過剰歯がある

過剰歯とは、通常の永久歯よりも本数が多い歯のことです。
生えてくる場合と、骨の中でほかの歯が生えることを邪魔する場合があります。

 

過剰歯ができる原因は不明ですが、上の前歯の真ん中あたりに過剰歯ができることが多いです。
上の前歯のあたりに過剰歯があると、「犬歯や前歯が生える向きや位置がおかしくなる」「ほかの歯が生えるスペースを奪う」ことがあるため、八重歯になる可能性があります。

 

過剰歯が八重歯の原因になっている場合は、早期に抜歯することが望ましいです。
骨の中に過剰歯があるかどうかは、レントゲンで確認できます。

八重歯がもたらす影響

虫歯や歯周病のリスクが高い

八重歯は、ほかの歯と重なって生えているため、歯磨きが難しいです。
磨き残しがあると、プラークが溜まって虫歯や歯周病になります。

「犬歯の隣にある引っ込んでいる歯」「犬歯の歯と歯茎の境目」は、磨き残しがよく見られる部位です。
八重歯の隣の歯は、ほかの歯よりも後ろにあるため、歯ブラシを縦にして1本ずつ磨かないときれいになりません。

また、「歯茎の上の方から犬歯が生えているタイプ」の八重歯は、ほかの歯よりも歯の根元が高い位置にあって唇に隠れているため、磨き忘れてしまうことが多いため注意しましょう。

ほかの歯に
噛み合わせの負担がかかる

犬歯は噛んだときや歯ぎしりをしたときの負担を負って、奥歯や前歯を守る役割があります。
犬歯がほかの歯の負担を負える理由は、歯の根がとくに長く、ほかの歯よりも丈夫な構造をしているからです。

しかし、八重歯の方は犬歯が外に飛び出しているため噛み合わず、ほかの歯の負担を軽減する役割を果たせません。
必然的にほかの歯が犬歯の役割を担うこととなりますが、犬歯のように丈夫な構造をしていないため、無理が生じて歯の神経の炎症歯周病の悪化などを引き起こす場合があります。

また、噛んだときに力がかかりやすく歯がすり減って噛み合わせの悪化につながる可能性もあります。

噛み合わせが悪くて
全身に影響が出ることがある

八重歯の方は噛み合わせのバランスが良くないため、肩こり頭痛腰痛などの全身症状を引き起こす場合があります。

犬歯が正常に噛み合わず、機能しないことで生じた歯の負担は、顎の関節に負担をかけます。
さらにその負担は、口まわりの筋肉、首や肩の筋肉の緊張を招き、結果として肩こりや頭痛、腰痛などを起こします。

ほかにも、噛み合わせの悪さは脳の機能にも影響を与えるといわれています。
噛む刺激は脳を活性化することが知られており、八重歯で噛み合わせが悪いと脳への刺激が少なくなり、記憶力集中力の低下につながります。

口呼吸による弊害が起こる

八重歯の方は歯が邪魔で口が閉じにくい場合や、顎が小さい場合があり、口呼吸をしていることが多いです。
常に口が空いている方や顎が小さい方は、鼻で十分に酸素を取り込めないため、口で呼吸してより多くの酸素を取り込もうとします。

口呼吸の問題は、口内の乾燥による影響です。
口の中は基本的に唾液で潤っており、食べかすや繁殖した虫歯菌、歯周病菌などを洗い流してきれいにする役割があります。(自浄作用)
口が乾燥すると唾液の自浄作用が低下するため、虫歯歯周病リスクの上昇口臭の発生などの問題が起こります。

海外の方からは
良い印象を持たれない場合がある

欧米では歯の治療を保険でカバーするのは難しく、治療にお金をかけて不健康になるよりも、予防にお金をかけて健康な状態をキープしたいという考えをする方が多いといわれています。

歯並びや噛み合わせが良いと虫歯や歯周病のリスクが低くなり、あらゆるトラブルを予防しやすくなります。
また、海外では矯正治療がステータスのひとつにもなっており、笑ったときに八重歯が見えると、健康管理が甘いとして良い印象を持ってもらえない可能性があります。

八重歯を予防するためには

子どものうちから対策を行いましょう

八重歯は、顎と歯の大きさのバランス、乳歯から永久歯への生え変わりの順番、過剰歯の有無などが原因です。
原因の多くは、遺伝や身体で歯が作られる過程で起こる個人差によるもので、残念ながら歯科なしで予防できる問題ではありません。
八重歯を予防するためには、次のような方法で子どものうちから対策を練ることがおすすめです。

 

■小児矯正を行う

小児矯正とは、顎の成長をサポートすることで将来的に歯が並ぶスペースを確保する子どもの矯正治療です。
「第1期治療」とも呼ばれます。

ムーシールドというマウスピース拡大床を使用して、顎の大きさ・位置・歯並びに影響を与える舌や唇のくせの改善を目指します。
生えてくる前の永久歯を誘導して並べることはできないため、将来的に八重歯になりますが、重症化の防止や、歯を抜かずに八重歯を並べることができる可能性が高くなります。

 

■過剰歯の有無をレントゲンで確認する

上の前歯に過剰歯があると、前歯がうまく生えてこない場合があります。
八重歯になる可能性もあるため、レントゲンを撮影して過剰歯がないかどうかチェックしましょう。
タイミングは、歯の生え変わりが始まる6〜7歳が最適です。

よくある質問

飛び出ている八重歯を抜いたら歯並びがきれいになると思います。
抜いてもらえませんか?

八重歯になっている犬歯は、噛み合わせで重要な役割を担う歯です。
見た目だけを考えて抜歯することはおすすめしません。

上の八重歯だけが気になるのですが、部分矯正で治せますか?

八重歯の程度や噛み合わせの状態によって異なります。
八重歯を並べるスペースが十分に確保できる場合は部分矯正でも対応可能ですので、一度検査を受けましょう。

矯正しないで八重歯を治す方法はないですか?

軽度の八重歯であれば、歯を削ってセラミックを被せる方法で改善できるかもしれません。
しかし、歯を大きく削る必要があり、歯の神経を抜く可能性もあるため、リスクを理解したうえで十分に検討されることをおすすめします。

八重歯を抜けば、隣の引っ込んだ歯は前に出てきますか?

八重歯に限らず、歯がなくなることで残った歯が空いたスペースに移動してくることはありますが、自分の思い通りに動くことはありません。
きれいに整えたい場合は、矯正治療が必要です。

八重歯の予防で小児矯正(第1期治療)をするなら、何歳くらいからがベストですか?

歯並びによっては3歳から始めることも可能です。
お口の状態やお子様の成長に合わせてベストなタイミングを判断しますので、一度当院までカウンセリングにお越しください。

著者 Writer

著者画像
横井 宏幸
役職:理事長
診療日:火・水・木・金・土

医療人として、人間として、
「信頼される歯科医院」を目指します。

【経歴】
神奈川歯科大学 歯学部 卒業
明海大学病院歯周病科 入局
2014年4月2日 LION歯科・矯正歯科 開院

【資格】
日本歯周病学会 認定医
歯科医師臨床研修指導医
歯科医師

【所属】
日本歯周病学会

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当院では治療に高倍率ルーペを使用することで、肉眼で行う処置よりも精密な診査・診断・治療が可能となっております。

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マイクロスコープやEr:YAGレーザーを使用して、歯周病の早期発見と再発の起こりにくい治療が可能です。
当院には歯周病でお悩みの患者さんが、セカンドオピニオンとして毎月多数来院されます。
院長が歯周病学会認定医のため、経験豊富な専門的知識と技術を駆使し、治療を行います。他医院で抜歯と診断された方も歯を残せる可能性があります。
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当院では小児矯正から成人矯正まで、幅広い年齢層の治療が可能です。
また、短期間で行えるマウスピース矯正や気になるところを部分的に治す部分矯正にも対応しており、患者さんのご希望を考慮した治療方法をご提案いたします。

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親知らずが骨の中に埋まっているような難症例では、親知らずの根が下顎を通る神経の束(下顎管)に接している場合があり、CT撮影にて3次元的に親知らずと下顎管の距離を把握することが大切です。
当院にはCT撮影が可能なレントゲンがあるため、大学病院に紹介されるような難易度の高い親知らずの抜歯も安全に行えます。

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当院では、歯科医院にて治療を行う「オフィスホワイトニング」、患者さんがご自宅で行う「ホームホワイトニング」、2つを組み合わせて行う「デュアルホワイトニング」が可能です。
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当院では3ヶ月から半年に一度来院していただき、虫歯や歯周病の有無などをチェックすることをおすすめしています。

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小児歯科に精通した歯科医師が適切に診断を行ったうえで、焦らず、じっくりとお子さまと向き合い、お子さんの受け入れられる範囲を見極めてスピーディに治療します。

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